一人いること。

ブロムシュテット指揮のドレスデンシュターツカペレのベートーヴェン全集を買った。セル指揮のクリーブランドを持っているのだが、セルのが面白かったので、また買ったというわけ。カラヤンのブルーレイオーディオの全集もあるが、ブルーレイはテレビを点けないと操作出来ないから中身はいいのだけど、聴き辛い。
ブロムシュテットは、90歳を超えて現役で、音楽を聴いて年齢を感じさせない。若い時から、自分が好きな仕事をしているのだが、そういう人を見ると羨ましく思う。他人と自分を比較しても自分がいかに、みすぼらしく何も持たないと思うだけなのだが、あり得べき自分、こうであった可能性、そういうものを考えると、自分と自分を比較することになる。ありもしない可能的な自分そういう空想と。
空想と、自分を比較して自分をつまらなく思うのだが、そう思う自分がまたつまらなく思う。今の自分を満足せず、かといって何も変える事がない。
何か、開きなおってこれに満足していればいいのだが、そういう気分にもならない。どこかで、不満に、全てが不満に思えるのだ。
人生は、もっと単純で小さな自分に満足してその時を暮らせばいいと思うのだが、虫歯の痛みが無い、そういうことだけでも、痛みがある時からすると幸せなのだが。
贅沢したいわけでもなく、真っ当にくらしているのだが、何を求めているかも分からず同じ毎日を繰り返し歳を経てきた。
そうした時に、少し寂しく思うのだろうか。何も成さず、何者でもない。そう思うことに。