因果関係について めも

  上の子は塾で講師のバイトをしているのだが、入試試験の国語の問題に因果関係についての評論があり、この評論の一部について分からないところがあるということだった。
  読んでみると、因果関係は二つの連続する出来事であるが経験的に同じ現象が何度か続くとそこに次も同じことが起きると習慣としてみるようになるという理解、一方では連続する出来事同士の関係とみるのではなく、出来事それ自体の関係性でなく、出来事の認識とそれに続く出来事の認識との間の関係とみる。そのようなことが書いてあった。
  大学の入試でこれを読んで理解できる高校生がいるのだろうか。出来事それ自体と、出来事についての認識を区別するような考えについていける人は少ないのではないかと思う。
  ここを突き詰めると、出来事それ自体(実在)と、認識が異なる可能性を認めることになるのだから、見ているものが実在と考えると、到底、理解できないことだと思う。
  出来事と出来事があって、実在と実在の間に関係性があるのか、それとも人間の意識の中で関係性が生じているのか。
  どちらであるのかは、結局、判別できないだろう、実在と意識は連続するもの、実在の裏づけ若しくは反映のない意識は存在し得ないし、意識が関与しない実在というものも認知しえないもの。実在と意識の境界がどこにあるのかは、ぼんやりとした雲のように境界そのものが線を引くようにできるものではないのだろうと思う。
  私が生きていく上で、実在が反映した世界が自分の今見ている世界そのように思うしかないのだろうと思う。そういう意味では、これまでの実在した出来事の反映が今の自分の世界だろう。そしてその世界は実在だろうし、その上で過去が因果的に存在したのであろうと思う。