高校生の自分

  「高校を卒業して何がしたいということはあるのかい。大学に行くつもりらしいけど、何もすることがないから、目指すものがないから大学に行くんだろ。今は大学という目標を持っているけど、君は大学を卒業したら、何になるつもりだい。」
  それが分からないんだ。大学を卒業して何かになりたいというものがない。働かないと生きていけないから、働くことになるけど、どこかの会社に入らないといけない。でも、会社で出世したいとかそういう意欲もないんだ。お金をたくさん稼いでもそんなところに価値がないということを考えるんだ。生きていくのに必要な金があればよく、自分の時間を自分のために使いたい。それが今の希望さ。
 「それなら、乞食とか坊主とかがいいんじゃないかな。時間はきっとあるんじゃないか。」
  乞食はともかく、坊主にはなれないな。宗教を信じていないんだから。神がいるとか、仏が助けてくれるとか、そんな自分以外の存在を信じる気にはなれないよ。乞食は、なれそうだけど、生活きつそうだし。冬は困るよね。だからもう少し働こうと思うんだ。
  「楽して金が欲しい。たくさんじゃなくてもいいけど快適な暮らしがしたいということだろ。贅沢な要求だね。そうなると、大学行ったほうがいいだろうね。もはや、大学は肩書きにならないけど、出ていて当たり前の世界になってきているからね。」

  社会に反逆するってどういうことだと思う。
  「ロックを聴いたり、髪を伸ばすことじゃないの。まあ、違う方向性なら、はっぴみたいな服を着て、改造車に乗り回すとかかな。」
  それって、ある意味社会的に認知された行為だよね。パターンの元に答えただろ。だからそれは、ある意味社会的行為なんだよ。反逆しているというより、少数派に属したということだよね。ロックを聴いたりというのは、もう多数派だと思うけど。
  「じゃあ極端だけど人を殺したり、何か人の迷惑になることが反逆なんじゃないかな。」
  人を殺したりするのは、犯罪行為だけど、社会に反逆しているとは言えないんじゃないかな。広い意味で社会がどうこう変わるわけでもないからな。その人のまわりでは大変なことだけど。
  「どうすれば、反逆になるんだろう。」