共同幻想

  最近は、、暗くなるのが早くなった。通勤の帰りには、雲が黒くなり、夕日の残りがわずかに見えるくらい。この静かな感じが好きだ。街が暗くなり、人々が帰路につく。
  世間では、安保法案が通った。誰も、安倍にそんなことは期待していないにもかかわらず。彼が政権を投げ出して、恥ずかしげもなく国会議員でいることを不思議に思っていたのだが。
  国や、出身、出身大学、そういうもので一つにまとまれる人の発想が分からない。どれも共同幻想に過ぎないのだが。同じ出身や、同じ大学の出ということで親近感がわくということだが、逆に言うと他を排除する。他が排除するから、自分のグループを作っているに過ぎないだが。これが愛国心であったりするわけだが、そんなものが本当に存在しているとか思っているのが滑稽でしかない。日の丸に挨拶をしてから登壇するのは日本人の政治家がやることだが、外人はそんなことはしない。挨拶する先に、人などいないから。誰に向かって挨拶しているのか。居もしない天皇だろうか。挨拶の先にたぶん国民や1人1人の個人はいないのだろう。個人が価値を持つなら、誰もいない旗にむかって挨拶などしない。これが幻想なのだろうと思う。そしてこの幻想は、政治家にいいように使われている。政治家も使いながら、自分(正確に言うと自分の先輩達だが)が作ったことを忘れて、その幻想を信じる始末。
そして幻想に価値があると信じて、個人の価値よりも上に置く。すると旗に挨拶するような人間が生まれる。
  社会は後退しているのだろうと思う。地域では、個人の感覚のない横並びマイルドヤンキーと呼ばれる全体主義的集団の発生と、国レベルでは立憲主義に対するテロル、国家社会主義的雰囲気の蔓延。どうも良くなっているように思えない。