ドア

ドアを開けると何が待ち受けているか分からない。キューブという映画の世界観だが、実際、毎日、家を一歩でればそこには安全なところなどない。
どこで何が、いつ起こるか分からない。確立的には大きな事故に出会うということなど、そうそうはない。それでも、何が起こるかは誰にも分からない。
単純に、明日、風邪を引いているかも知れないし、もっと重大な病気が見つかることもあるだろう。
私たちは、こういう世界に生きているのだ。
安全と思いがちな世界は、実はそうでもない。
幸せに見えている人でも、実はそうでもないこともある。外見からはそれが発見できないだけなのだろう。
自分自身のことでさえも、このことに気づかないままに過ごしている。
そして、ある日にドア一つあければ、見えていなかった世界が目の前に現れることになる。
私たちは、毎日その可能性の前に立っているのだが、多くの場合、平穏の日を送っているだけだろう。
世の中には、不安があるし、その不安はいつとも、何とも言えない。必ずやってくるものだが、その時に至るまでは分からない。ドアの一つ先には何が待ち受けているだろうか。

この不安の正体が何かを私たちは見つける必要があるのだろうと思う。
一つに執着だろうか。私自身へのプライドだろうか。最終的な死であろうか。
その時々を生きるのが私だが、その先を見るのも私であるし、過去を覗くのも私だ。そして他人と私を比較しているのも私だ。自分を誉めようとしているのも私だ。永遠と私であるのだが、これが不安の正体なのだろうか。

何もしないことの不安。何かをしない時の焦燥、あせることなど何もないのだが。
これが、ドアの先にあるのかもしれない。