父と子の対話 完璧編

父 テレビで、アナウンサーが「ほぼ完璧」と平気に使っていたよ。こんな人は、完璧の璧を壁
  だと思ってるんじゃない。サッカーの解説だったから。
子 漢字があってるかは、分からないけど、ほぼ完璧って使ってもいいだろ。意味は分かるよ。
父 日本語の乱れどうこう言うことがあるが、アナウンサーが「ほぼ完璧」ってほぼ全くアウト
  と言いたいよ。
子 アナウンサがー言いたいのは、完璧に近いということだろ。
父 完璧に近いならいいんだけど、「ほぼ完璧」は完璧の言い切りで終わるからね。完璧の意味
  知ってると聞きたくなるよ。無限小数的に近いなら、完璧と一緒と言えなくもないけど。
  そんな程度に完璧じゃない時に、「ほぼ完璧」と使うんだよね。
子 1%~5%くらい足りない時に使うんじゃないか。もとから完全な事柄なんてないんだから
  自信はあるんだけど、完全には保証しませんよ。という意味で使っているんだろ。
父 そうだよね。でも確率で言ってしまうと、その1回にあたると完璧な失敗にあたるというこ
  ともあるよね。100回のうち1回も、失敗されると「ほぼ完璧」て安請け合いだね。「原
  子力は安全です。」と断言してた人達と一緒だよね。
  「ほぼ完璧」と言われると逆に不安にならないか。ほぼの部分のリスクがどの程度か、説明
  して、その分だけ完璧じゃないと言って欲しいよ。
子 完璧なことなんて、初めから無いと知っていれば、「ほぼ完璧」もOKだと思うよ。
  完璧なことが世の中に在るか無いか、考え方の違いじゃない。
父 そうとも言えるけど、一旦、完璧という言葉を使用するなら、論理上はその言葉の意味と整
  合する文を作って欲しいな。「ほぼ」は完全じゃないことを意味していて、「完璧」は完全
  なことを意味している。この二つを連結して文を作ると、すなわち矛盾だよね。完全な矛と
  完全な盾と両方がぶつかるとどうなるのだろうと思ってしまうよ。こんなことをしたら、
  対消滅して世界が消えてしまうんじゃないか心配だよ。
子 言葉は、意味が分かればそれでいいんだよ。
父 論理的には、そうも言えないよ。
子 完璧な論理は、そもそも無いんでしょ。
父 。。。。。