父と子の対話(強者と弱者)

子 マンガではこういうセリフを言うと主人公にふっ飛ばされるよね。
  敵「人間には2種類の人間がいる。強者と弱者だ。」
  主人公「お前だけは、許さね~。オラオラオラ、とか」
父 「てめらの血は何色だ~。ヒョーシャウ~、プシュー」
  という感じですか。敵と主人公、結局はやってること一緒だよね。


父 少し気になるんだけど、人間には、2種類の人間しかいないのか。
  3種類の人間はいないのでしょうか。と訊きたくなるね。
  強者でも弱者でもない人、又は強者でありかつ弱者である人の可能性は否定できないのでは。

子 どちらか、二つに分けると言っているのだから、分類は2つという前提だよ。

父 では、どうして分類は二つしかないのだろう。

子 私の意見を言っているのだから、他人が3つやそれ以上n個の可能性を言う問題ではないよ。

父 なら、その人が言っていることは正確には、「私の意見の限りにおいて、人間には2種類の人
  間がいる。他の意見の可能性は否定できない。」これでいいんでしょうか。

子 いや、他の意見の可能性は否定しているよ。私がこうだと言っているのだから。

父 それでは、その人は他人の意見は聞かないのに、自分の意見だけを聞けと言っているのだね。
  そんな都合のいい人物の意見なんか聞く人がいるのか。意見は正しいかどうか議論できるか
  ら、意見になるんだよね。

子 マンガの絶対的強者なら、そんなことは構わずに俺の言うことを聞けというでしょ。

父 いいね。私がそんなに強いなら、私とその他の2種類しか人はいないね。
  いっそのこと「平家にあらずんば人にあらず。」これでいいんじゃない。
  これなら世の中に、人は1種類しかいないよね。

子 それって結局、敵と同じ主張だよね。

父 ・・・・・