めも

  最近、体調が良くない。体がだるいのと、腰が痛い。もうそれなりに齢なんだと思う。
  家の前に畑があるのだが、そこも宅地になり家が建つ。もう数ヶ月で新しい住人が住んでいることだろう。できれば、畑のままが良かったが、時の変化は仕方がない。何もかもが変わろうとしているのだろう。ここに住むのもいつまでになるかも分からない。今、ここにあるのは、貴重な偶然の産物であり、そしてそこに住んでいる家族というものも、いつまでも一緒にいるわけではない。そういう意味で貴重な時間を過ごしているんだと思う。この過ぎ去る時間というものは、若い時は気にしていないが、人生も半分を過ぎればもう後、これだけかという気になってくる。
  皆、別れがある。これまでにも出会った人と別れてきたが、そのことも忘れたことが多い。この先は、忘却の中に私自身も含まれる。  
  人は、永続や安定を求め、そのために必死になっているのだが、そのようなものは本当はない。子に残してやるものも、それは私ではないし、私が永続するわけでもない。子は私より長生きしてもらいたいが、子に私を写しても、
子は私ではない。
  全てが、行き去っていくことに変わりはない。この中で暮らしていることに感謝して暮らす。そんなに贅沢な暮らしはできないが、特別に貧しいわけでもない。移り行く、世界を見ながら、その中に、ここに生きることに感謝しなくてはならない。ただ、健康があればそれでいいのだが、完全な健康というものもない。どこか体の調子が悪いところがありながら、それをだましながら、暮らしていこう。