父と子の対話 労働者の賃金について

   福島原発では今も、労働者が日給8千円程度で働いているよ。
   それに比べて東電元社長の退職金は5億とも10億とも言われているよ。
   何でこうなるの。どうして福島原発で働く労働者は、個人の危険手当をピンハネされて日給が8千円というようなこと起きるのだろう。
   この労働者が低賃金であるのは、何故か。それは労働者に教育がないからだ。
   教育がないから、抗議ができないの。
   抗議ができないから賃金が安いのでなく、その仕事しか労働者が選べないから。他に仕事がないからだ。
   労働者に教育があれば、仕事を選ぶことができる。その教育を十分に受けることができなかった人の賃金は安く評価されるということだ。
   賃金の評価は、xという人にfという機能をかけたところで評価される。xという人は変わりがないとしても外に表示される機能fによって、人はそのxを判断してしまう。
   人を雇用するときには、xそれ自体を見るような時間はない。fという機能に着目してその人が出力する力に期待をする。
   だから、fが東京大学卒業と○△高校卒業とでは期待がかわってしまう。fは1個だけでなく、たくさんのfがf’f’’としてその人に表示される。弁護士や何かの資格があればf’になって、f・f’(x)という具合になる。学歴がない人は、違うfを表示して学歴以上のものがあることを示す必要がある。だから、fはその人を文字変換するように、fが高い評価があれば、xという個人を高い評価へと変換するんだよ。
   このfの評価が低い人は安い賃金しか得ることができない。
   ただ、実際に仕事をすると、標準的なxという人でなく、Xという個人の能力が、期待されているxと比較して低い場合は、係数として0.5(半人前)や必要な数を係数としてかけることになる。そして出力された仕事があまりよくなければ、その人は首になってしまう。
   だから、fだけが高い評価があってもXという個人の能力が低ければ、結局は評価はされないよ。
 
   でも、東電の元社長は、退職してハワイに行ってたらしいよ。
   5億の退職金で福島の人がハワイに行くのが本当じゃないの。
 
対話はここで終わり。
   東電元社長というfは、5億円に相当するのだろうか。  原発多重下請け構造の下で、使命感をもって仕事をされている労働者への評価と比べると全く不当だと思う。東電の元社長の5億円は、彼の後始末をしている今後何十年と続く後処理を行う労働者が得るべきものではないか。なぜ、彼は退職金をもらう権利があるのだろうか。